千本鳥居の道~鳥居の彼方で待つ狐の怨霊~
翔太と亮介は、千本鳥居で有名な山へ探検に出かけた。
鳥居の道を歩き始めると、次第に霧が立ち込めてきた。
「これはヤバいかもな」と翔太が言ったが、亮介は「もう少し進もうぜ」と答えた。二人は霧の中、鳥居をくぐり続けたが、次第に周囲の景色が歪んで見え始めた。
「おい、戻ろう」と翔太が言ったが、亮介はすでにいなかった。
慌てて探し回るうちに、彼も霧の中で迷い込んでしまった。
数日後、翔太と亮介の遺体は鳥居の道で発見されたが、二人の顔は恐怖に歪み、鳥居の柱にしがみついていたという。
それ以来、千本鳥居の道には夜になると霧が立ち込め、鳥居をくぐると「こっちだよ」と誰かの囁き声が聞こえるようになった。
村人たちは夜の千本鳥居には絶対に近づかないようにと警告するが、時折、興味本位で訪れた観光客が同じように霧の中で行方不明になるという噂が絶えない。