遊女の霊屋~遊女たちの怨念に囚われた廃墟~
夏休み、大学生の康平と美香は温泉町を訪れた。
二人は興味本位で遊女の霊屋に行くことにした。
霊屋には古い石碑が並び、祠には古びた人形が納められていた。
「これが遊女の霊屋か」と康平が言うと、美香は「気味悪いね」と呟いた。
その瞬間、背後から「いらっしゃい」という声が聞こえ、振り返ると白装束を着た女性が立っていた。
彼女は微笑みながら「一緒に来て」と手を差し伸べた。康平は彼女に魅了され、その手を取ろうとしたが、美香が「ダメ!」と叫んで彼の手を引いた。すると、女性はニヤリと笑い、「またおいで」と囁いた。
二人は恐怖に駆られて霊屋から逃げ出したが、その夜、康平は突然行方不明となった。
翌朝、美香は康平の姿がないことに気づき、再び霊屋を訪れたが、そこには康平が持っていたお守りだけが残されていた。
それ以来、遊女の霊屋には「白装束の女性が現れ、魅了された者は二度と戻ってこない」という噂が広がった。