宿場町の宿~旅人が消える夜の一軒宿~
友人同士の陽平と拓也は、古い宿場町を訪れた。
そこで見つけた古びた宿に泊まることにした。
宿の主人は無口で、「夜は部屋から出ないように」とだけ告げた。
陽平と拓也は部屋で寛いでいたが、夜中に奇妙な囁き声が聞こえてきた。
「なんだ、これ?」と陽平が言い、拓也は「外からだな」と答えた。
二人が窓を開けてみると、外には無数の人影が立っていた。
驚いて窓を閉じたが、その直後、部屋の外から足音が聞こえ始めた。
陽平がドアを開けると、そこには宿の主人が立っていた。
「早く部屋に戻れ!」と主人が叫び、二人は慌てて部屋に戻った。
翌朝、二人は主人に昨夜の出来事を尋ねたが、「昨夜、何もなかった」とだけ言われた。
それ以来、宿場町の宿には「夜になると人影が現れ、部屋から出る者は二度と戻らない」という噂が広がり、
興味本位で泊まる若者も姿を消すという。