猿田彦の像~道案内の神が見つめる村の謎~
猿田彦が祀られる山の祠
に、大学生の直樹と香織が訪れた。
そこには奇妙な笑みを浮かべた猿田彦の像が置かれていた。
「なんか変だな」と直樹が言うと、香織は「これ、動くんじゃない?」と冗談めかして言った。
二人は像の前で写真を撮り、そのまま山を下りた。
しかし、翌日から二人の周りで奇怪な出来事が続いた。
直樹の部屋では夜中に不気味な足音が聞こえ、香織の家の鏡には猿田彦の像が笑っている姿が映し出されていた。
二人は恐怖に駆られ、再び祠を訪れたが、猿田彦の像は消えていた。
警察が捜索を行った結果、像は山中の小川で見つかったが、その表情はより不気味に歪んでいたという。
それ以来、猿田彦の像が祀られる祠には近づく者はいなくなり、像は再び姿を消した。二人の写真には像が不気味に笑う姿が残されており、興味本位で像を探す若者もまた次々と姿を消している。