田んぼの道標~霧の彼方に消えた道案内~
高校生の涼太と翔太は、田んぼのあぜ道で心霊スポットを探していた。
そこには古びた道標が立っており、「左:村道、右:鬼道」と書かれていた。
興味本位で二人は右の道へ進んだが、次第に霧が立ち込めてきた。
「これ、ヤバいんじゃない?」と涼太が言ったが、翔太は「行こうぜ」と言って進んだ。
しかし、霧が濃くなるにつれ、周囲の風景は次第に奇妙なものに変わっていった。
道の先には何も見えず、足元には無数の手形が浮かび上がっていた。
「戻ろう」と涼太が言った瞬間、背後から奇妙な笑い声が聞こえた。
二人は恐怖に駆られて道を引き返したが、次の日、翔太は突然行方不明となった。
涼太は警察に事情を説明したが、鬼道の存在を信じる者はいなかった。
その後も涼太は悪夢に悩まされ続け、ついに自ら命を絶った。
田んぼのあぜ道に立つ道標は今も残っており、「右:鬼道」と書かれた方向には誰も近づかない。